ゴールデンエイジという言葉をご存知でしょうか。脳をはじめとする神経系の機能は、10歳で大人のほぼ90%近くにまで発達してしまうそうです。だからこそ、その神経系の働きに最も深く関係する「巧みさ」のトレーニングは、ゴールデンエイジといわれる10~12、13歳の時に集中して行う必要がある、とスポーツジャーナリストの永井洋一さんの著書「スポーツは良い子を育てるか」に書かれています。本の中に、先日安打数で日本記録を達成したイチロー選手に関して興味深い事が書かれていたので紹介します。
イチロー選手が、「今の自分のバッティングの基礎はすべて、小学校5・6年生の時の練習にある」と語っていました。イチロー選手はその頃、父親と一緒に毎日のようにバッティングセンターに通い、速いボールに合わせてバットを振る練習を重ねていたそうです。(中略)野球のバッティング動作では、まず眼で飛んでくるボールを捕らえ、球筋を見積もりながら、どのタイミングで足を踏み出し、体をひねり、バットを振ればいいかを瞬時に決定し、実行に移さねばなりません。眼と体の正確な供応動作を、一瞬のうちに行わねばならないのです。イチロー選手は、11~12歳のころに、バッティングセンターで毎日のように速いボールに合わせてバットを振ることで、眼と体の供応動作を存分にトレーニングできたのです。どんなボールでも巧みにバットを合わせてしまうイチロー選手の高度なバッティング技術は、彼の体の発達過程で最も適した時期、つまりゴールデンエイジに、最も適した環境が用意されたことで身についたといえるでしょう。
RF現中1メンバーは、彼らが小5、小6の頃に甲子園出場経験者であるSコーチのもと、徹底的に基礎練習をしました。Sコーチは、当時監督であった私にいつもこう話してくれました。「今はインプットすることが大事。彼らが中学、高校と野球を続けていくなかで、インプットされた内容が徐々に理解されてきたときに、飛躍的に上達するはずなんです」小学生野球、中学野球、そして高校野球を見てきて、ようやくSコーチの意図していたことが私にも理解できました。ゴールデンエイジでの基礎練習の徹底が、この先の野球での全ての源なのだと。勝負のこだわりよりも、個々の選手の力量に合わせたスキル向上の方が、子供の将来を考えるとはるかに重要なのです。監督の経験、知識不足をフォローしてくれたSコーチに、あらためて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
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