少年野球とはいわゆる子供の野球です。野球を通じて、団体活動におけるマナーや協調性を養うことが目的です。それが達成できれば、勝ち負けは二の次なはず。私もだからこそ息子達に野球をやらせたわけですし、指導者に成り立ての頃も、野球を楽しくできればいいと考えていました。
長男のチームは、メンバーをそろえるのに必死な状態だったので、試合をすることを目標に活動していました。次男のチームの監督を任された時、楽しく野球ができるチームづくりを心掛けました。低学年チームは、お父さん、お母さんの協力も得やすいので、大人も子供もたくさんの大所帯(選手だけで30名超えていました)で本当に楽しくできたと思っています。お母さんコーチを募って1年生の対応をお願いしたり、選手のお姉さんを募ってマネージャーになってもらい練習の手伝いをしてもらったり、多くの方の協力により活気あふれるチームづくりができたと思います。
そういう取り組みが功を奏したのか、4年になると急にチームが強くなり、町田大会で3位入賞する等結果が出始めました。このあたりから、私は急に勝ちたくなってしまいました。一度結果を出すと、保護者の方も選手も勝ちを求めるようになる、と思い込みはじめました。本当に周囲にそういう期待があったかは定かではありませんが、私は少なくとも勝たねば、と力み始めたのです。色々な本を読んで練習方法や試合での戦いかたを研究したものです。とにかく勝ちたい、それしかありませんでした。
しかし5年生では、結果を出すことができませんでした。私の力みが選手のプレッシャーになったのか、試合で実力を出せないチームになってしまったのです。選手の声のかけ方にも工夫をしてみました。試合で実力を出せないのはメンタル面が大きいと考え、すぐ落ち込む選手には喝を入れるために、徹底的に大きな声で叱るようにしました。ライオンが子供を崖から落とし、自分で這い上がるのを待つという感じであったと思います。今思うと、他の選手への対応とのバランスが悪かったと反省しています。周囲からすれば、えこひいき、と思われても仕方なかったでしょう。色々なことをやりましたが、全て逆の結果でした。チームの雰囲気も悪くなり、さすがにこのときは色々と悩みました。悩んだ結果、原点に立ち返ることにしたのです。
6年チームになったとき、長男は高校の野球部に入部し、私自身高校野球を直接見る機会が増えました。試合を見ると、どんなに鍛えぬかれている選手でもエラーする、という事に気付きました。「こいつらでこうなんだから、小学生ができないのは当たり前。この子達が高校まで野球を続けたいと思えるように、野球を好きにしてあげることが一番大事だ。」と思い直すようにしたのです。私の肩の力が抜け、選手もリラックスできるようになったのか、6年チームでは町田大会ベスト8、町田団地大会ベスト8とまずまずの結果をだせたと思います。
今振り返ってみると、楽しく野球をすることで団体活動におけるマナーや協調性を学ぶ、という少年野球の本来の目的を軸として絶対にぶらさないようにすることが、指導者として大事なことだと痛感します。小学生での野球は長い人生の中ではほんの一瞬です。その一瞬だけの勝利にのみ固執すると、色々なことが空回りしてきます。私は自分の失敗から、強いチームにする近道は野球大好きな「野球小僧」に選手達を変えていくことだと思います。野球小僧がすぐ結果を出すかわかりません。中学になって結果を出せるようになった私の長男の例もあります。でも野球が好きになれば、好きな事に対して選手は一所懸命取り組むようになります。選手によって伸びる時期は異なりますので、焦らずじっくり育てることが指導者にとって一番大事なことなのでは、と思います。
昨年の6年チームの選手達は、ほとんどのメンバーが野球を続けてくれそうです。私は途中過程で失敗しましたが、結果的にみんな野球を続けてくれるようになった事が何よりも嬉しいです。
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